STRATEGY ウェブ戦略は明確ですか?

Clarify home page work ホームページの仕事を明確に

ホームページやシステムは作って終わりではありません。
しっかりと使いこなさないと無用の長物となるどころか時代にそぐわないデザインのまま放置したり、「お知らせ」のように日時が記載される項目の更新が長く滞ってると 不安を与える結果となってしまいます。

「ホームページを作りたい!」ではなく「ホームページを作ってどうしたいのか?」という事を考える必要があります。
もっと具体的に言うと「ホームページにどのような領域の仕事をしてもらうか」を現実的に定義し、オフラインのサービス(実際の店舗やサービス)に 繋げる動線を構築する必要があります。

ここではいくつかの業種の大まかな戦略の方向性を示しますので、これからホームページ展開を考ている方や、ホームページ制作会社と折衝中の方は参考にしていただけると幸いです。

Items common to all sites 各ホームページ共通項目

ウェブ戦略は企業戦略の上に成り立つ

企業の情報インフラや戦略が洗練されていない場合で、ウェブ戦略を取り入れると状況が好転するというのは幻想です。
企業戦略が確率できていない状態でウェブ戦略を取り入れると、元々あった問題点は増大し 現場は混乱します。
まずは可能な限り企業戦略を洗練する必要があります。

デザインの大切さ

ホームページが表示されてスクロールする前に見える部分を「ファーストビュー」と言います。
このファーストビューで興味がないと判断された場合 ユーザーの離脱が発生します。

伝えたい内容を「文字」「キャッチコピー」「画像・イラスト」「ホームページの色」「余白部分」「アニメーション」などのデザインに落とし込み、次のページへ進んでもらえるよう知識欲を刺激します。

ホームページの表示速度

人は約3秒で第1印象を決めるといわれており、その後のイメージは第一印象がおおきな影響を与えます。
また、表示速度が遅くなればなるほどホームページの読み込みが完了する前にユーザーが離脱する確率が上がっていきます。

そのためホームページのテーマを体現するデザイン(アニメーションなども含め)と表示速度の両立が大切です。

ユーザー設定・ペルソナ設定

ホームページを訪れるユーザー・ペルソナ(人格)の想定です。
ひと昔前は「40代・男性・おしゃれに興味がある」といった様な設定の仕方でしたが、現在はSNSの普及や、ユーザーが 能動的に情報を獲得する傾向が強いため、これだけでは少し現実的とは言えません。

デザインの方向性の参考にはなりますが(ホームページの雰囲気・文字サイズ・テキスト量等)、従来のペルソナ設定だけではお問い合わせへの誘導は 不十分と言えるでしょう。

アタラクシアが提唱する 基本戦略は「あるライフスタイル・所属コミュニティの属性を持ったユーザーが持つ悩みを解決する価値」を提供するという考え方です(詳しく興味がある方は「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則」をご覧ださい)。 性別や年齢で区切るのではなく「何に興味があり、どんなコミュニティに参加し、どこから情報を得て、いつアクションを起こすのか」という行動や特性に着目し、適切なタイミングで必要な情報を公開するように動線をデザインするのです。

カスタマージャーニー

「カスタマージャーニー」とはマーケティング用語で、想定するユーザーの行動・体験のフローです。
どれだけホームページの体裁を整えても、お問い合わせをいただいた後のユーザーの労力が大きければ、 キャンセルという事も大いに考えられます。

そのためホームページに載せる情報も あまり背伸びをせず、お問い合わせから購入まで(もっというとお友達に お勧めしてもらえるまで)のユーザー体験がシームレスで上質なものになるよう、オンラインとオフラインが一連の流れでつながっており、いつでも購入の方法が手の届く範囲にある必要があります。

これからの時代はオンラインとオフラインの 総力戦なのです。

Corporate site コーポレートサイト

コーポレートサイトは 企業の顔です。
企業において信頼はとても重要なポイントですので、妥協は許されません。

顧客が信頼に値すると判断できる情報を網羅することはもちろん、取り組んでいる事や社会的な価値を発信することで企業ブランドを受け入れてもらう必要があります。
つまりホームページの言動と実際の行動が一致しているという事が大切なのです。

また戦略にもよりますがコーポレートサイトでのSEOの深追いはお勧めできません。
あくまでSEOは検索エンジンを提供している企業(主にGOOGLE社)に気を向けたものなので、その先にいるユーザーがおざなりになるくらいならSEOは多少目を瞑ってもいいと考えております。

なぜなら企業を調べるときは「アタラクシア 神戸」のように具体性の高いキーワードで調べるからです。
自社サービスの検索順位での競争は下層コンテンツなどの拡張性の高い部分や、各種広告でカバーする等の包括的な戦略を立案しましょう。

Recruit site 求人サイト

正直なところ一企業のリクルートサイトが大手の求人媒体に検索順位で勝つことはかなり 難易度が高いのです。
求人媒体は転職系キーワードでの検索表示順位を上げるために 莫大な費用と労力をつぎ込んでおり、複数の会社がしのぎを削っています。
また、「建築専門求人サイト」「医療専門求人サイト」のような業界特化のホームページも数多く存在しており、付け入る隙はかなり狭いのが現状です。

黄金パターンとしては自社ブランドの向上を通じコーポレートホームページのユーザー流入を増やし、そこからリクルートホームページに誘導するという手法がおすすめです。
すると企業の理念に共感した質の高い応募が望めます。

求人媒体に載せられないようなリッチなデザインや情報を載せ、「運用方法は他の何かとセットで」という方法が現実的です。

Service site サービスサイト

サービスサイトはとにもかくにも「 わかりやすさ」です。
斬新・画期的なサービスほど 顧客の認識の外にあるので(人は認識の内側にあるものしか理解できません)ケーススタディや図を駆使してサービスの魅力をあらゆる角度から発信することをお勧めします。

また金額や内容を明示することも大切ですが「このサービスを受けることでどういう風に人生が豊かになるか」をイメージしてもらうことも大切なポイントです。

コンテンツマーケティング」という有益な情報を拡散する手法と相性がよく、ユーザーの悩みの原因に関する記事を投稿するといいでしょう。
また、お客様の声を要所要所に表示したり、SNSに感想を投稿してもらうキャンペーンなどを織り交ぜることでお問い合わせの確率を上げることができます。

EC site ECサイト

ECサイトとはいわゆる 通販サイトのことです。
オンライン上で商品を見てもらい、ユーザーが気に入ったら購入することができる素晴らしい仕組みですがシステムが複雑になりがちなことと、いくつかクリアしないといけないハードルが増えます。

「特定商取引法に関する表示の記載」
「ログイン機能」
「商品管理機能」
「決済方法の用意とホームページへのつなぎ込み」
等です。

また扱う商品や切り口を誤ると、楽天市場やアマゾンなどの メガストアの陰に霞むことになります。

Personal management 個人経営

美容院や飲食店の個人経営の場合、検索で想定されるキーワードは「【駅名】 美容院(飲食の種類)」となると思いますが、よほど労力をつぎ込まない限り、HOT PEPPER BEAUTYや、ぐるなびに検索表示順位では負けてしまうことが予想されますので、 それらと共存する道を選ぶことが得策でしょう。

クーポンサイトの種類にもよりますがオフィシャルサイトのURLを掲載してくれるサイトもあります。
そこでリッチなコンテンツを作成したりユーザーの感性を揺るがすコンテンツや、会員サービスや通販などに誘導できれば、他店と差別化することができます。

自店舗の強みを掲載することはもちろんですが、独自のコンテンツを発信しそのファンができれば、新規顧客獲得のためには、SNSやブログなどの地道な投稿もユーザーの興味を引くのに役立ちます。
ユーザーの年齢層にあったSNSを選択しましょう。

Portfolio site ポートフォリオホームページ

撮影した写真のギャラリーや、小説など様々な趣味をホームページに落とし込み世界に拡散できます。
コメント機能をつければ感想を投稿してもらえたりファンが増えてきたら会員制にしたり、お仕事の依頼が来るかもしれません。

個人ホームページでは企業にはできないような世界観にこだわった作りが可能です。

昨今はSNSで発信している方が多いですがプラットフォームが変われば互換性がなくなりますし、SNSにどれだけ投稿しても自分の資産ではなくあくまで SNSの提供会社の資産となります(SNSがサービス終了するとすべて消えますし、SEO上アドバンテージを受けるのは提供会社のみです)。

フリーランスで活動する方はポートフォリオホームページを作成しておけば世界感を反映できるうえに、情報の構成が自由にでき、その後の動線も設計できます。
これからは様々なフリーランスの台頭が予想されますので、実績や作品のストックは各SNSを統合した個人ホームページで管理し「いいね」や新しいコネクションはSNSで獲得するというように領域を区切ると各SNSのルールに縛られず、 いいとこどりできます。